かくして、あてのない気ままな一人旅を続けるオヤジは、
日本最後の清流、
四万十川に引き寄せられて行くのであった。

E横浪黒潮ライン


4月15日(月) 9時27分 共済会館発

四万十川で遊んでやろうと思い立ち、56号線を下る。
行程は、須崎、久礼を経由し、窪川から四万十川沿いの381号線に入ることとする。
但し、須崎まで行くのに、だいぶ遠回りにはなるが、一旦、56号線をはずれて南下し、海岸線を通るつもりである。
そこには『横浪黒潮ライン』というものがあり、名前からして、いかにも、いくつもの入江や断崖、開放的な太平洋の眺望が楽しめそうである。
宇佐大橋を渡りながら、目を、足元の透き通った海水から、遥かな浦ノ内湾に転じていくと、小さな漁村が見える。
浦島太郎を登場させてもなんの違和感もない、日本むかしばなし的景色がすばらしい。
橋を過ぎると、道は次第に登りとなる。
横浪黒潮ラインは、幾重にもうねる、山の尾根をたどる、いわばスカイラインである。
先ほどパーキングで、たぶん地元の人が客人を案内しているのであろう、そんな軽トラックを一台みたきり、車や人の姿を見かけない。


コマーシャルに出てきそうな、見通しのよい白い道。 そして陽光と若葉。 うぐいすの声もする。
ある上り坂などは、このまま走っていくと、行く手の真っ青な空に吸い込まれ、ポッカリ浮かんだ白い雲に乗っかってしまうような錯覚におそわれるほどである。
なんと気持のよいドライブではないか。
途中、おばあさんが飲み物を売っているパーキングで一休み。
立ち寄る車などめったにないので、これでは商売になるはずがないと思うのだが、おばあさんのニコニコ顔には、「そんなこといっこうに構いません」と書いてある。
そのパーキングは海側にあり、道路をはさんだ反対側の山の斜面に200段くらいの木の階段があり、てっぺんに展望台がつくられていている。


息を切らせて登ってみると、浦ノ内のみごとな眺望がご褒美であった。
セルフタイマーで、おどけた写真を撮っていたら、突然、若い二人が現れて、一人でバカやっているのを目撃されてしまった。
キマリがわるいので早々に展望台をあけわたして退散した。


階段を下りながら、新婚さんでもなさそうだし、不良が学校をサボッている様子でもないし、どんな関係かなと考えたが思いつかなかった。
須崎から、まんが「土佐の一本釣り」で有名な久礼を経由して窪川に至る。
全長196km、四万十川の源流は、窪川の北に位置する東津野村にある。 
南下して窪川に入ると、ここから西に向かって流れていく。
この流れに沿って381号線がはしっているが、大正町、十和村を過ぎ、西土佐村に入ると四万十川と分かれて宇和島に向かう。
四万十川は西土佐村で南に方向を変え、今度は441号線といっしょに、河口のある中村市にむかうのだ。
いまや、行くあてのなかった、フーテンオヤジの一人旅は、日本最後の清流『四万十川』をめざす旅となったのだ。

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