大月のキャンプ場は私がこれまで利用した幾多のキャンプ場のなかでもトップクラス、☆☆☆☆☆のキャンプ場だ。

Iプライベートビーチ

午後8時、西土佐村でもう1泊するつもりでいたが、衝動的に出発。 四万十川沿いを下り中村に到着。 
その晩は、西部系のプリンスホテルとは何の関係もない、「中村プリンスホテル」というホテルに宿泊。
4月18日、中村から56号線を宿毛まで行き、南下して大月町に入る。
大月にはオープンして間もない「大月エコロジーキャンプ場」なるものがあるようなのでチェックをいれる。
どうして、"エコロジー"などという生意気で野暮な名前を付けたのか知らないが、名前以外は文句のつけようのないビンゴ!なキャンプ場であった。
キャビン9棟にテントサイトが10区画とこじんまりしたキャンプ場だがロケーションが抜群である。
林に囲まれたキャンプサイトから、100メートル程度下ると海に出られ、そこにはキャンプ場専用のプライベートビーチがあるのだ。 今のところ他に客はないので、ここに泊まれば、このビーチを含めたキャンプ場全体を独り占めすることになる。
ロケーションの良さ以外に、「オレ、ここに決定!」と言わせるもう一つの理由があった。
ビーチの脇にスノーケルセンターなる建物があり、そこにはダイビング用品やら、シーカヤックが保管されていて、貸し出すシステムがあるようなのだ。
四万十でリバーカヤックの楽しさを知ってしまった僕である。 ここで、この美しい入江で、シーカヤックを体験せずにすまされようか?、いやない! である。


管理棟には職員が2人いて、暇そうにテレビをみていた。
利用を申し出ると、この時節には珍しい客に「こいつは何者なのだろう」といういぶかしさと「ようこそ、いらっしゃいまし」という歓迎の感情がまざった顔の応対をうけた。
このキャンプ場は(財)大月町ふるさと振興公社なるものが経営しているようである。
テントサイト一泊の使用料、3000円を支払って受け取った「自然公園施設使用許可書」には、高知県知事、橋本大二郎殿の印鑑がおされていて、ものものしい。
無事、Tー10号区画の使用権が得られた僕は、さらに「海浜遊具特別使用許可申請書」(そんなものはない)をお願いしたのだが、明日9時にならないと、その関係の担当者が来ないということであった。 今はすでに午後3時で、遊ぶ時間はあまりない。 天候も晴れてはいるが時折強い風がふく。 やるなら明日のほうがよいかもしれないと思い、その件は、おあずけにした。

夕飯の準備には早すぎるので、キャンプサイトを囲む山林の遊歩道を散歩することにした。
わりと急な山道なのでまじめに歩くと息が切れる。
普通の雑木林に強引に道をつくっただけという感じで、見晴らしの良い場所があるわけでもない。 ただ木の種類の豊富なのが特徴とみえて、これを利用して道の脇に「木の名前当てクイズ」が用意されている。 どこかに正解一覧でもあるのだろうが、問題の木にはヒントが書かれた札がつけられているだけなので、知らない木があってもその場でおぼえることができない。 正解がわからないクイズほど罪なものはない。 20種類以上の木があったが、わかったのは5種類程度で、情けない気分になってしまった。

キャンプ場の遊歩道なのだから、その辺を一巡りしてすぐに元の場所に戻るものと思っていたのだが、道はひたすら山奥に向かって上っている。
いい加減で下り道になっても良さそうなものだと不安になり立ち止まった。
いつのまにかクイズも途絶えているが、これまで分かれ道のない一本道をきたはずである。
「へんだなあ・・・。」
イザとなったら、来た道を戻ればいいのだから、もう少し行ってみようと歩き出した。
体のほてりに反比例して、不安が心を涼しくしはじめたので、指笛で、でたらめな曲をふきながら歩いた。 静かな山に響きわたる音で気持ちがいくらか穏やかになった。
やがて道が少し下りになり、ほどなく二俣に分岐する地点にでた。 道標が立っていて、左:なんとか、右:なんとかと書かれているが、キャンプ場への道案内はない。
「左は下りだし、方角もキャンプ場のある方角に思えるが、どうもこれは戻った方が賢明のようだ。」
引き返す決心をしてから、道端にしゃがみこみ、タバコに火をつけた。
ゆっくりと二ふくほどふかしたとき、突然左の道を上ってくるものが目に入りビクッ!とした。
髭をはやし、髪を後ろで束ねた、地下足袋姿の男がスタスタとこちらに近づいてくる

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