叱らない介護 2008/10/27

幸い家内の病状は、ひところの不穏な状況がうそのように落ち着いており、私のストレスはかなり軽減しています。
しかし脳の機能は確実に衰えていっています。

私の言葉はほとんど理解されず、彼女の言葉もほとんど意味不明です。

食事をだしてあげても、半分くらい食べると、満腹になったわけでもないのに、
食べるのをやめて食べ物をつついたり、並べ替えたりする作業に没頭します。 
そんなとき「いじってばかりいないで食べなさい!」などといっても無駄です。 
「食べるんだから」といっておかずの肉をお茶のなかに入れたりします。 
でも、はしでつまんで「はい、どうぞ」などと口元にもっていくと食べてくれます。

赤ん坊でも食べたければ口にもっていくのに何が起こっているのか訳がわかりません。

排便、排尿の世話も以前より手がかかるようになりました。
失禁するので介護用の紙パンツと尿とりパッドをつけていますが、交換の世話をうまくやる必要があります。 
トイレにいき、ズボンを下げ、紙パンツを下げはじめると便座にすわる前に排尿するので、
衣類にかかってしまうことがあるのです。

睡眠は比較的順調ですが、ときおり夜中に起きてパジャマの上に洋服を着ようとしたりします。
そんなときはなだめて、手枕で添い寝してあげると「よかったよ〜」「ありがとうね〜」といってうれしそうに眠りにつきます。

川崎幸クリニック院長の杉山孝博さんの書いた小冊子には、介護家族のたどる心理ステップは
(1)とまどい、否定 (2)混乱、怒り、拒絶 (3)あきらめ、割り切り (4)受容 という4つのステップをたどると書いてあります。

私自身の心理状態は(2)と(3)を行ったり来たりというところかと思います。

よく認知症の進行とともに、だんだん赤ん坊のようになるといわれますが、
いままで出来ていたことができなくなるというベクトルは、赤ん坊の行動に対する反応とは異質なもので、
簡単に仕方がないと割り切れるものではありません。 
なんとか出来るようにしたいと思いつい、大声でしかったり、怒ってしまいます。 
そんなことをしても怒りの感情が伝わるだけなのだと、理屈ではわかっているのですが・・・。

ステップ(4)の受容という心境は修行による悟りのようなものかもしれません。
怒ってしまうのは彼女のせいではなく、自分の煩悩がゆえに、かってに怒ってしまうのです。

あるがままの彼女を認め、自分のことのように受け入れて行動できるようになりたいものです。

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