PTSD 2008/8/21

初めての徘徊から1週間経過していますが、このところ妻は異常な行動をとります。
あのときの恐怖体験がそうさせるのか、家に居ながら、なにかのきっかけでスイッチが入ると、
「早くいかなければ」、「帰らないと困る」、「むこうで待っているから」と家を出て行きたがります。
幻覚をともなっているのでしょう。 「ここが家だよ」、「だれも待っているひとなど居ないよ」
などと話してもまったく心に届きません。 

不穏のスイッチは朝は目覚めたときは必ず、昼はデイサービスで預かってもらっている間に何回も、
夜、デイサービスから家に帰ってきたときも必ず、思い出したように突然入ってしまいます。

不思議なことに、そんなとき、車に乗せると穏やかな顔になり静かにすわっています。
だからスイッチが入ったときはできるだけドライブするようにします。 ただドライブして家に戻っても、
今度は家に入ろうとしないので困ります。 
あるときは車に2時間もたてこもりました。 
またあるときは強く抵抗するものをひきずるようにして家に入れました。 
なんとか家に入れても放置すれば出て行くので玄関ドアが開かないように細工して閉じ込めることになります。 
そうしても、ドアをたたいたり、けったり、鍵をがちゃがちゃさせて必死に出ていこうとします。

それは簡単にはやまりません。 
8時ごろから朝の5時ごろまで格闘したことも2度や3度ではありません。

また、ただ出て行こうとするだけでなくなぜか色々なものを持っていこうとします。
玄関にある靴や笠、置物や時計、植木鉢やマットなど手当たり次第にカバンや袋につめて手にもって、
あるいは肩にかけて出て行こうとするのです。

玄関での格闘は立ちっぱなしで、時には尿や便を垂れ流してすることもあります。
そして最後にはさすがに疲れて上がりかまちに座り込んでしまいます。
そうなる前には私はなすすべナシですが、座りこんだときにやさしく声をかけ、ささえてやれば、
よろよろと歩いてベッドにはいってくれます。 

ベッドに入ってもしばらくは、力を振り絞って出ていこうとします。 そんなとき。
「まあちゃん、よくがんばったね」、「もう大丈夫だよ」、「お父さんがそばにいるからね」、
「まあちゃん、ひとりでどこかに行ってしまわないで」、「ぼくは世界一まあちゃんが好きだよ」といってしっかり抱いてやります。 
そうすると次第にやすらかな顔になって眠りに落ちます。

そんな寝顔をみていると自然に涙がこみあげてきます。
思えば、これまでこんなに真剣に彼女のことを愛しているといったことがないことに気が付きます。

やがて私も楽になって眠りにつくのです。

SEO [PR] 母の日 カード比較 再就職支援 バレンタイン 冷え対策 誕生日プレゼント無料レンタルサーバー ライブチャット SEO