介護の新たなステージ 2011/3/23

3月16日、その日はデイサービスが休みであった。
昼過ぎに、まあちゃんをつれて、車で買い物にでた。 
3時ごろ帰宅して、彼女を降車させ、門の内側に誘導したあと、車をガレージに納めた。
そして玄関にもどってオヤッ?と思った。 まあちゃんが家の入り口に通じる石段にしゃがみこんでいるのだ。 外傷はなく、痛がってもいないのでたいした転倒事故にはみえなかった。 しかし手をとっても立ち上がれない。 抱きかかえるようにして家の中に入り、食卓のいつもの席につかせた。 トイレや食事もいつもと変わらない様子にみえた、ただ、あれから時間がたっているのに相変わらず足に力が入らず、歩くことはもちろん、立つこともできないままである。 いつも通り9時ごろ抱きかかえるようにしてベッドに寝かしつけた。 なんとなく熱っぽかったので体温をはかったら37.4度であった。 明日になれば回復しているかもしれない、そうあってほしいと願った。

次の日も足の具合は悪いまま変わらなかったが、苦痛の表情はなく、笑顔さえみせている。 認知症の進行により歩行ができなくなるというケースは珍しくないので、とうとうその段階にきたのかなと思った。 電話で主治医の長谷川先生に突然歩けなくなったことを相談したら、毎朝服用している、向精神薬のニューレプチルの蓄積が原因であることが考えられるので服用を中止するよう指示された。 
介護家族の仲間であり、経験豊富な水谷さんにも相談したが特にヒントは得られなかった。 

原因や改善方法は分からないが、立てない、歩けない人の介護はこれまでとまったく違うので、ともかく対応できるようにしなくてはならない。 とりあえず車椅子や介護用ベッドなどが必要になる。 ケアマネとそして介護用品業者と話し合い、必要な機材をレンタルすることにした。

18日にはシャロームの田中さんが心配され、見にきてくれた。
そしておむつなど当面必要な介護用品を差し入れてくださった。

オムツを替える時、これまで気がつかなかったが、おしりに青アザがあるのを発見した。
その位置は石段の角にしりもちをついたのかもしれないことを想像させた。 これは一応レントゲンなどとってもらい骨の状態を確認しておいたほうがよいなと思った。

3連休もあり介護タクシーをたのんで病院に行ったのは23日であった。
整形外科の診察結果を聞いて驚いた。
「右大たい骨頚部骨折」でレントゲンには1cmもズレて離れた骨が写っていた。
「もしかしたら骨にヒビがはいっているかもしれない」くらいに思っていた僕には大きなショックだった。 事故からもう1週間もたってしまっている。
ふつうこれだけの骨折をすればそうとう痛いはずである。 痛がってくれていさえすれば、救急車を呼んででも、すぐに病院につれていったであろう。
骨折だとわかっていれば、体を動かす時も気をつけ方が違っていたはずだ。
何より悔しいのは、あの日買い物から帰って、車をしまう前に、門の内側ではなく安全な家の中に誘導しておけばこんなことにはならなかったのにということだ。
なんというかわいそうなことをしてしまったんだという思いで胸がいっぱいになる。

整形外科の先生がいうには治療方法は2通りだという。
(1) 手術により人工骨頭を挿入する。
(2) 保存療法でこのまま放置する。
通常(1)で、1ヶ月以上の手術入院と長期のリハビリをすることになる。 
ただ、認知症があると、コミュニケーションがとれず、入院生活が難しく、そして手術が成功しても歩けるようになる保障はないという。 手術をすべきかどうか迷うところだ。
(2)は時間がたって落ち着けば動作の制限はなくなるが車椅子生活になることは避けられない。
家族で話し合い、入院生活は適さないであろうこと、現在、痛がるなど苦痛はみられないことなどを考え、結局(2)でいくことにした。

これまで、足腰だけはしっかりしていたので、天気のよい日には手をつないで買い物にいったり散歩したりした。 まあちゃんは歩くのが好きなようで、ふたりで散策するのは僕にとっても楽しい時間であった。 いずれは歩けなくなるにしても、できるだけ長く今の状態が続くよう望んでいた。
しかし突然それは断たれてしまった。 
まだ慣れないこともあって、オムツのとりかえに苦労する。 抱きかかえてのベッドと車椅子間の移動はさらに大変である。 腰をいためてしまった。 
今はデイサービスで入浴させてもらっているので体を洗う必要にせまられてはいないが、今後、大便でよごれたときなどどのように洗浄したらいいのか途方にくれる。

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