10月18日 会話について
このごろのマアちゃんはよく笑う。
というと全面的に良いことのようだが、かならずしもそうではない。
面白くて、うれしくて笑うわけではないことが多い。 とりあえず笑っておくといったニュアンスがふくまれるのだ。
例えば口にしてはいけないものを咬んだりしているのでしかると笑って返す。
怒られていることが分からないようで、それを表現したくても言葉がでないので笑うのであろう。
いろいろな意味で笑うのであるが、決して不快な気分ではないことは確かなようだ。
デイサービスを受けているときも良く笑い、まわりの雰囲気をやわらげてくれると介護職員はいっている。
言葉がなくても心はあるのでそれを声に出す。
テレビでみた南田洋子さんは頻繁に「アカヨウ」と意味不明なことばを発するといっていたが、
マアちゃんの場合も「イイヨ」を肯定の意味でなく頻繁に発する。
しかし無言とはちがい何かの気持ちが声になるのだから悪いことではないと思う。
時には「うれしい」とか「よかった」とか「行こう」とか「ほんとう」とか気持ちと言葉が一致しているときがある。
先日はデイサービスの連絡帳に、「立川さんお元気?」と声かけしたら「うん、元気」と答えたと書いてあった。
そんなふうに会話が成立するときはびっくりする。 めったにはないことだがとてもうれしくなる。
食事の後などに「どう、おいしかった?」などと話しかけると「〇×*△・・・」と言い返してくれる。
「○△×なんだ」とまねていうと、うなずきながら笑いでかえす。
内容を伝え合うという意味での会話は成立していないが、
交代で気持ちをキャッチボールするという目的の会話にはなっている。
会話をしているときのマアちゃんは楽しそうだ。
僕は思う。 病気になる前、そしてなってからまだ日が浅い頃も、もっといっぱいマアちゃんと話せばよかったと。
もしかしたらもっとたくさん会話をしていればこんな病気をふせげたかもしれないとさえ思う。
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